笑う門には福来たる

おじさんの四次元ポケット

ネクタイが結べないまま大人になってしまった結果。


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ネクタイが結べない40歳

僕は現在40歳です。

40歳と言いますと、当然ながら大人です。

立派な成人男性であり、おっさんでもあります。

そんな40歳と言う年齢に達していながら、僕はネクタイが上手に結べないんです。

これは非常に恥ずかしいことでもあり、忌々しきことです。

大人として、さすがにこれはいかんよな…と。

と言いますのも、僕は普段スーツを着ない生活をしておりますし、そうなると必然的にネクタイをする機会もありません。

今までスーツを着る仕事と言うものも、一切してきませんでした。

昔は、漠然とですが、スーツを着てバリバリと仕事をする自分の姿を想像してたものです。僕は長野の田舎から東京に出て来たのですが、高層ビルが立ち並ぶ都会で、スーツを着てかっこ良く仕事してる俺。きっと将来はそうなってるんだろうな~と。

ところがどっこい。

そんな仕事とは一切縁のない東京ライフを送ることに。

若い頃の仕事と言えば、土木関係や引越し屋など、肉体労働系のアルバイトを主にやっておりました。

その後も一切就職することなくフリーターを続けて行き、様々な職を転々とすることに。

定職に就くのが良いとされる価値観から見た場合ですと、まさに「ダメな大人」の人生をまっしぐらです。笑

そして、僕がこれまでに就いたどの職業も、スーツを着ないお仕事ばかりだったんです。バイトの面接にすら、スーツを着て行った覚えもありません。

そんなスーツを着ない生活をず~っと続けて40歳。

いつの間にか、ネクタイが上手に結べない40歳になっていました…。

 

初めてのネクタイ

僕が人生で初めてネクタイをしたのは、高校の卒業式です。

僕が通っていた高校は、制服と言うものが一切なく、私服登校なんですよ。

で、卒業式も特に決まりはないのですが、だいたいの人はスーツです。中には紋付き袴なんて人も。ちょっと変わった高校だったので。

僕もその時初めてスーツを着ました。スーツデビューの日ですね。18歳の春です。

そして、スーツを着て行くと言うことは、その時に当然ネクタイも結ぶわけですよ。初ネクタイです。

結び方など全くわからないので、自宅で両親に教わると言う流れに。

確か前日にレクチャーを受けた覚えがありますね。

最初はお袋が教えてくれたのですが、お袋も余裕な感じで始めはしたものの、結び方のレクチャーなどと言うものが初めてのようで、じょじょにテンパってきた様子。笑

自分で結ぶのと、相手に結んであげるのでは、視点が全く違うので、けっこうわけわからなくなるみたいなんです。笑

そんな状態でバタバタしていますと、見かねた親父が参戦。

テンパっているお袋を最初は笑っていた親父ですが、いざ自分が教えてみると、親父も上手く教えられない様子。

夫婦揃って何をやっているんだ、と思う高校生の僕。

しかも、ネクタイって首のところで結ぶ作業なので、やってもらったりしていますと、必然的にお互いの体の距離が近くなるわけですよ。

もう高校生にもなりますと、親とそんなに近距離で接することがありませんので、それだけでなんだか気恥ずかしいと言いますか、居心地が悪いと言いますか…笑。

しまいには、親父が僕の後ろに回り、まるで背後から抱き締めるかのような態勢で、ネクタイの結び方をレクチャーする始末。笑

かなりの気まずさ、居心地の悪さを感じながらも、なんとか結び方を覚えました。

これが今だったら、YouTubeなんかで簡単に見れちゃうんですけどね。当時はそんなものないので。

前日にネクタイの結び方を教わり、当日も奮闘しながらもなんとか結び、無事にスーツ姿で卒業式に出席しました。

それが僕とネクタイの初めての絡みです。

 

冠婚葬祭とネクタイ

両親に教わりながら、初めてネクタイを結んだ18歳。

現在40歳の僕にとって、それは遠い昔のなつかしい出来事です。

初めてのネクタイの後、僕は上京しました。大学の入学式でもスーツを着た覚えがありますので、それも自分でなんとかしたんだと思います。

しかしです。

最初にも書きました通り、その後の僕は、スーツを着る機会が全くと言って良いほどないわけなんですよ。

日常的に着るシチュエーションがありませんので、基本的にスーツを着るのは、冠婚葬祭などに限られるわけです。

しかし、冠婚葬祭がそう頻繁にあるわけではありません。

友達がめちゃめちゃ多くて、結婚式に出まくってる、とかなら話は別ですけど、僕の場合はそんなこともなく。

ですので、冠婚葬祭と言うのは、おそらく平均すると数年に一度程度ではないかと。

そんなペースでしかスーツを着る機会がありませんので、高校の卒業式で練習したネクタイの結び方など、とっくに忘れてしまうわけです。

自分としては、「きっと体が覚えてるだろう」だなんて、根拠のない自信があって、ネクタイなんて余裕で結べちゃう気でいるんですけどね。

しかしです。

結婚式やお葬式の当日、普通にスーツを着て、ネクタイを結ぼうとするんですけど…

できないんですよ、これが。

あれ?

あれ?

あれ?

何度「あれ?」と言うワードを発したことでしょうか。

やってもやってもできないんです。

次第に焦りますよね、これでは結婚式に遅れてしまう、お葬式に遅れてしまうと。

これが嫁さんがいたり、家族と住んでたりしていたら、助けてもらうこともできるんでしょうけど、当時の僕は独身で一人暮らしです。

その場で誰も助けてくれる人がいません。

仕方なく、ネクタイをポケットに入れ、会場で誰かに助けてもらおうと言う算段で、ノータイで出掛けます。

しかし、これはこれで考えものでもあるんですよ。

いい歳こいて、誰かにネクタイを結んでもらっている姿を見られたらと思うと…それも大人として恥ずかしいのでは?と思い始めることに。

で、駅のトイレなんかでネクタイを引っ張り出して、またもや無駄な挑戦をしてみたり。

悪戦苦闘や葛藤の末、だいたい僕が辿り着く先は…

変な結び方のネクタイで出席」です。汗

 

ネクタイの意味を考え始める

冠婚葬祭には変な結び方のネクタイで出席。

そんなことを繰り返していますと、さすがに学習をします。アホな僕でも。

これは大人としてダメだぞ、なんとかしなきゃ、と。

そして、その時付き合っている彼女なんかに結び方を教わったりするんです。で、一時的には自分でしっかり結べるようになるんです。

しかし、そこからまた僕は、スーツを日常的に着る機会がありません。

おそらく次の冠婚葬祭までは。

そうなると、これまた…

結び方を忘れるんです。笑

結婚式の場合は、事前に日程がわかっていますので、前日までになんとか練習すれば間に合います。

しかし、困るのは葬式ですね。

急なので、練習する暇がなかったりするんです。汗

この十数年ではネットも飛躍的に進歩してますので、YouTuBeなどでもネクタイの結び方をすぐに見ることもできるようになったので、なんとかはなってるんですけどね。

例えばこんなのとかです。

動画でいくらでも見ることができますし、さらに僕は現在、結婚して嫁もいますので、最悪嫁に助けてもらうこともできます。

しかし、こういつもいつも冠婚葬祭などでネクタイに振り回されていますと…

そもそも、ネクタイの意味を考え始めるんです。

ネクタイとは何ぞや?」と。

ネットでその意味なんかを調べてみるのですが、いまいち納得の行く答えが得られません。

何故こんなものを首に巻かなければいけないのか?

ある意味、ネクタイに対する逆恨みではあるのですが…笑。

考え始めると、色々と疑問なんですよ。

必要ないのではないか?と思ってしまいまして。

でも確かに、スーツを着ている時に、ネクタイがあるのとないのでは、あった方が締まった感じがするのも事実です。

しかしこれはもしかしたら、そう言った固定観念を植え付けられているだけなのか、果たしてそうではないのか…。

だんだんわけがわからなくなってきます。笑

まぁ、「正装」のスタイルとして、もっともポピュラーだったものが浸透して行った結果だとは思うんですけどね。

とりあえず、ネクタイ自体に罪はありませんので、ネクタイを責めるのは止めます。

そして思ったんですよ…。

「当たり前のようにネクタイを日常的にしている人たちよりも、俺の方がネクタイと真摯に向き合っているんじゃないか?」って。

それを真面目な顔で嫁に話したところ、「頭おかしくなったか?」と言われました。

ネクタイが結べないまま大人になった男の末路です。

ちなみに、誰でも簡単にネクタイを綺麗に結ぶことができる「ワンタッチネクタイ」なんてものもあるみたいです。

最悪僕も、こう言うのを買ってみようと思っています。

 

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