豪徳寺ってどんなお寺?
小田急線には「豪徳寺」という駅があります。下北沢と経堂の間で、急行などは通過してしまい、各駅停車でないと止まらない駅です。
僕も小田急線は利用することがありますので、豪徳寺という駅は認識していました。また、そういう名前のお寺があるんだろうな~というのも、駅名から自然と認識してたかと思います。
しかしながら、これまで一度も豪徳寺について考えたこともなく、駅に降り立ったこともありません。
豪徳寺に行ってみようと思ったことすらなかったのですが、今年の4月、訪れる機会が突然やってきました。
きっかけは、東急世田谷線沿いにある、吉田松陰をお祀りした松陰神社への参拝です。
僕は嫁と二人で神社巡りをするというささやかな趣味を持っておりまして、このブログとは別に、神社ブログも書いております。
松陰神社に世田谷線にて向かうため、その乗り換えで豪徳寺駅に初めて降り立ちました。
そこからは松陰神社だけではなく、周辺の気になった神社などをいくつか周りながらの一日です。
そんな神社巡りの締めとして、豪徳寺を訪れることにしたんです。豪徳寺は神社ではなく寺院ですが。
豪徳寺は曹洞宗の寺院で、かつてその地には世田谷城の主要部があったとされています。
戦国時代の前期。世田谷城主の吉良政忠が、伯母である弘徳院のために庵を結んだのが、寺院の元となっているようです。当初は曹洞宗ではなく臨済宗だったそうです。
その後江戸時代前期、寛永の時代に世田谷領が彦根藩領となり、彦根藩主だった井伊直孝が、井伊氏の菩提寺として創建し整備したのが現在の豪徳寺です。井伊直孝は、安政の大獄を行い、桜田門外の変で暗殺された井伊直弼のご先祖です。
氏族である吉良氏、井伊氏と関わりの深い寺院なんですね。
さらには「招き猫発祥の地」としても知られていて、境内には奉納された無数の招き猫がいる場所もあるとか。
また、井伊氏の菩提寺であることから、井伊直弼など井伊家のお墓もあるようです。
境内案内
豪徳寺は小田急線の「豪徳寺駅」からも遠くはありませんが、一番近いのは東急世田谷線の「宮の坂駅」です。
豪徳寺には「山門」「東門」「裏門」と3ヶ所の入口がありますが、基本的に開いているのは一番大きな山門のようです。山門へも宮の坂駅からが一番近いです。
宮の坂駅から5分ほど歩きますと、左手に豪徳寺の入口があります。
そこから山門に向かい参道が延びています。両脇には立派な松が何本も。
こちらが豪徳寺の山門です。
山門をくぐり参道を進むと、左手には三重塔。
正面に見えてくる建物が仏殿です。その手前には立派な狛犬さんのいる常香炉です。四方を鬼が担いでいます。
仏殿にお参りをしてから左手に進みますと、招き猫のいる招福殿があるのですが、そちらは次項にて詳しく紹介させて頂きます。招福殿を振り返ると三重塔の全貌が見えます。
三重の塔には猫がいくつも彫られていました。
仏殿の後ろ、ぐるっと回ったところに本堂があります。
招き猫
豪徳寺は招き猫発祥の地と言われています。
この発祥説には諸説がありまして、浅草の今戸神社、新宿の自性院、京都の伏見稲荷も同じく発祥の地とされています。
僕は浅草の今戸神社のみ、以前訪れたことがあります。
諸説はあるようですが、皆それぞれに伝承があって面白いです。
豪徳寺の場合は、猫に雷雨から救われたという伝承があります。彦根藩主だった井伊直孝が鷹狩りの帰りに豪徳寺の前を通り、そのときに門前で猫が手招きするような仕草をしていたため、寺に立ち寄り休憩すると、雷雨が降り始めたそうです。
雨に濡れずに済んだ直孝は、このとき荒れていた豪徳寺を再建するために多額の寄付をし、井伊家の菩提寺としました。
結果的に猫が豪徳寺を救ったことにもなったため、その猫が死んだときに和尚はお墓を建てて弔い、後世には招猫観音を祀る招福殿が建てられました。
招猫殿の脇には、願が成就したお礼として、招福猫児が奉納されるようになり、現在は一面招き猫という、なかなか凄い光景を見ることができます。
そんな無数の招き猫がこちらです。
僕たちが訪れたのは平日だったためか、参拝者の姿もあまり見掛けず、この招き猫の空間を独占させて頂きました。
誰もいない中、周囲をこれだけの招き猫に囲まれますと、現実感が失われると言いますか、おかしな感覚になってきますね。
途中で数人の外国人の方がこのエリアに足を踏み入れて、「Wow」と感嘆していました。笑
この無数の招き猫は、仏殿の左手にある招福殿の脇にありますので、豪徳寺を訪れた際には必見の場所かと思います。
招福殿の入口はこんな感じです。
まず招福殿に参拝し、招き猫に会いに行ってみてください。
お勧めです。
井伊直弼のお墓
無数の招き猫と並び、豪徳寺を訪れた際には、是非とも行っておきたいエリアがあります。
それが、井伊家のお墓です。
井伊家墓所は境内の左手に位置していて、誰でも自由に入ることができます。そこには井伊直弼をはじめ、井伊家のお墓が並んでいるんです。
こちらが墓地の入口です。
先に進み墓所に足を踏み入れると、まるで異空間のような景色が広がっています。
お墓の形もいわゆる一般的なお墓とは違っていますし、お墓にいる、という感覚は正直僕は薄かったです。それよりも、もっと不思議な場所にいる感覚です。
変わった形状のいくつも並んでいる墓石が、何かの遺跡のようにも見えてしまいました。
この空間は、かなり独特です。なんだか凄いです。
墓所内にはこのとき僕と嫁以外誰もいなかったので、余計に異空間な感じがしてしまったのかもしれません。
井伊直弼のお墓は、一番奥の方にありました。
井伊直弼は、安政の大獄という弾圧を行った人物で、桜田門外の変で暗殺されています。
安政の大獄では吉田松陰も命を落としているのですが、松陰のお墓は、豪徳寺からもほど近い「松陰神社」にあるんです。
弾圧した側の井伊直弼と、弾圧され命を落とした側の吉田松陰。
その二人がこんな近くにいるなんて、それもまたなんとも言えない気持ちになります。
豪徳寺にある井伊直弼のお墓と、松陰神社にある吉田松陰のお墓。どちらにも訪れてみるのが、個人的にはお勧めです。
豪徳寺の御朱印
豪徳寺では御朱印を頂くことができます。本堂右手の寺務所にて頂けます。
こちらが豪徳寺の御朱印です。
御朱印の受付時間
御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から16時半までです。
(※寺院のご都合によりお時間等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
アクセス
豪徳寺の住所は、東京都世田谷区豪徳寺2-24-7です。
電車
①世田谷線 「宮の坂駅」から徒歩5分。
豪徳寺駅方面の出口から出て、前の道路を右に進みます。少し歩くと「大谿山豪徳寺」の看板がありますので、そちらを左折です。
②小田急線 「豪徳寺駅」 / 世田谷線 「山下駅」から徒歩10~12分。
世田谷線の線路沿いを南下して、宮坂駅前交差点を左折。「大谿山豪徳寺」の看板を左折です。
駐車場
約20台停められる参拝者用の駐車場があります。
開門時間
豪徳寺の開門時間は、6時から18時までです。寺務所は9時から16時半までです。
(※寺院のご都合によりお時間等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)
豪徳寺の公式HPはありません。
以上、本日は世田谷区にある豪徳寺について書かせて頂きました。
招き猫や井伊家の墓所は素晴らしい空間でしたので、お勧めです。
是非訪れてみてください。