笑う門には福来たる

おじさんの四次元ポケット

『風が強く吹いている』を読んで箱根駅伝が見たくなった。


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三浦しをん『風が強く吹いている』

三浦しをんさんの『風が強く吹いている』は、箱根駅伝を舞台とした小説です。

竹青荘というボロアパートに住む10人の大学生が、初めての箱根駅伝を目指す物語なのですが、この10人はほぼ素人なんです。陸上競技の経験がない大学生ばかりなんです。

そんな中でまともに走れるのはたった二人。

一人は、10人の中心となり、皆を箱根駅伝に巻き込んだリーダー、ハイジ(清瀬灰二)。

も一人は、天才的なランナーですが、高校のときに問題を起こして陸上競技から離れた、カケル(蔵原走)。

この二人以外は、陸上に関してはほとんど経験がなく、中には運動自体苦手な人間もいるんです。

留年しているヘビースモーカーのニコチャン、司法試験に合格しているユキ、高校時代にサッカー部だった双子のジョータとジョージ、クイズが大好きなキング、小さい頃は何をやっても一番だった神童、普通の留学生ムサ、漫画オタクの王子。

全員が、一癖も二癖もある個性豊かなメンバーです。

箱根駅伝を走るのに必要な人数は10人で、竹青荘のメンバーもちょうどその10人。一人が病気や怪我をしたら終わる人数です。つまり、箱根駅伝を走るには、一人も欠けることも許されません。

最初は乗り気ではなかったメンバーたちも、じょじょに真剣に箱根を目指すようになり、練習に励みます。

箱根駅伝に出場するのは、まず予選会で結果を残さなければいけません。

果たして素人ばかりの寄せ集め集団が、予選を突破し箱根駅伝に出場することができるのか?

と、かなりざっくりなあらすじを書いてみましたが、『風が強く吹いている』はそんな内容の小説です。

2007年の本屋大賞では第3位に選ばれ、2010年には第1回ブクログ大賞文庫本部門で大賞を受賞もしている作品です。

また、2007年には漫画化、ラジオドラマされ、2009年には舞台化、実写映画化されています。そして2018年にアニメ化もされました。

文庫版の裏表紙の文言を引用させて頂きますと、「純度100パーセントの疾走青春小説」です。

 

一番面白い陸上小説

僕はこれまで、陸上競技を題材とした小説というものを、ほぼ読んだことがありません。

しかし最近、素晴らしい陸上小説に出会いました。

それが、佐藤多佳子さん著『一瞬の風になれ』です。

『一瞬の風になれ』は、高校の陸上部を舞台にした短距離走の物語です。文庫ですと全3巻と少しボリュームはありますが、僕はあっと言う間に読み終わってしまいました。めちゃめちゃ面白かったんです。

で、読み終わった後に、自分も走ってみたくてたまらなくなり、そんな気持ちを記事にもしています。笑

他の陸上競技小説というのを読んだことがないので、適切な感想ではないのは承知しておりますが、『一瞬の風になれ』は一番面白い陸上小説だ!と僕の中でそうなっていたわけです。

しかしです。

このたび僕は、三浦しをんさん著の『風が強く吹いている』に出会ってしまいました。笑

僕が『一瞬の風になれ』を読んだのは、今の夏ですので、それからわずか4ヶ月後です。

『一瞬の風になれ』が一番面白い陸上小説だと書いた前言を、一瞬で撤回します。言い直します。

陸上競技の小説で一番面白いのは…

短距離なら『一瞬の風になれ』

長距離なら『風が強く吹いている』です!!

 

箱根駅伝を生で見たくなった

箱根駅伝といえば、毎年お正月にテレビで見たり見なかったり。

僕は駅伝に特別な興味があるわけでもありませんので、箱根駅伝を毎年楽しみにする、みたいな気持ちも全くありませんでした。

1月2日に往路、翌3日に復路というのも知っています。東京から箱根まで走って帰って来るということも。

これまでに何度かは、がっつりテレビで見たこともありますし、面白かった覚えもあります。

しかし、その程度です(失礼な言い方ですみませんが…)。

箱根駅伝では毎年様々なドラマが起こり、ニュースなどでもそれを感動的に伝えたりしていますけれど、だからと言って特別な想いを持ったりすることもありませんでした。

駅伝で起こるドラマ自体は面白いと思うものの、それ以上でも以下でもなく、と言った気持ちでしょうか。

しかしこのたび、三浦しをんさんの『風が強く吹いている』を読みまして、僕はいっきに箱根駅伝に想いが募ってしまったんです。

単純ですみません。笑

選手たちの箱根への想い、駅伝で繋ぐ襷(たすき)、走るスピード、走るということ。

小説の中の世界ではありますが、それらを目の当たりにしてしまい、竹青荘の10人のメンバーが全力で走るそれぞれの姿に強く心を打たれました。

『一瞬の風になれ』を読んだ後には走りたくなってしまったのですが、今回『風が強く吹いている』を読んだ後には、箱根駅伝を生で見に行きたくなってしまったんです。

僕はこれまでの人生で、学校の運動会とかを除き、ガチなマラソンや駅伝という競技を、生で見たことが一度もありません。

見た人の話は聞いたことあるのですが、皆口を揃えて言うのが「スピードがハンパない」ってことですね。とにかく選手たちが、想像以上のスピードで目の前を通り過ぎるらしいんですよ。

その速度は、テレビ画面で見ていても、なかなかわからないものです。

『風が強く吹いている』がきっかけではありますが、是非とも生で、マラソンや駅伝が見てみたくなりました。

 

箱根駅伝予選会の観戦

箱根駅伝を生で見たい!とめちゃめちゃ思いはしたものの、その日程は1月の2日と3日です。

ダメ人間な僕は、できればどこにも出掛けずにのんびりしていたい。そういう日程に被ってるわけです。笑

さらには毎年2日には実家に帰省してしまうので、そのあたりも見直さないといけません。

理想は元日から、箱根にて駅伝コース近くの温泉旅館に宿泊するという贅沢なパターンかと思うのですが、おそらくその日程だと宿泊費も高額でしょうし、予約も取れるかどうかわかりませんので、貧乏な僕には現実的ではありません。

とすれば、やはりスタートとゴールが東京ですので、それを見に出掛けるのがベストかと。

ものすごい混雑が予想されますし、それを思うと億劫にはなりますが、そんなこと言ってたら観ることなんてできませんからね。

もしくは少し遠出して、混雑も少なく尚且つ見やすそうな場所まで出掛けるか。

と、そんなことを色々考えていましたら、小説の中の一場面が浮かびました。

それは「箱根駅伝の予選会」です。

小説の中では、予選会が立川の昭和記念公園で行われていまして、個人的な事情ではありますが、僕は立川ですと自宅から大変行きやすいんです。笑

そこで、実際はどこで行われているんだろう?と思い調べてみましたところ、なんと同じでした!昭和記念公園や、隣接している陸上自衛隊の立川駐屯地が、予選会の会場でした。

日程は毎年10月、秋に行われているみたいです。2018年は10月13日(土)に開催されています。

こちら、日刊スポーツの公式サイトより、写真を転載させて頂きます。

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(画像出典:www.nikkansports.com)

お正月の本戦ももちろん観てみたいですけれど、こちらの予選会も迫力がありそうです。個人的には自宅からも行きやすいですし。笑

今年もお正月は既に帰省の予定を入れてしまっていますので、まずは来年の10月、予選会を昭和記念公園で観戦するのが理想ではないかと。で、その次のお正月には本戦を検討したいと思います。

もしそれまでにお金持ちになれたら、箱根の旅館を予約したいと思います。笑

 

映画やアニメも気になります

僕が『風が強く吹いている』を知ったのは、三浦しをんさんの小説です。原作ってことですね。

三浦しをんさんの作品はこれまでもいくつか読んだことがありまして、好きな作家さんの一人です。そんな流れで『風が強く吹いている』にも出会いました。

そして先述もさせて頂きましたが、この作品は映画や漫画やアニメにもなっているんです。

映画の方は、主演のハイジ役が、あの小出恵介さんです。笑

小出恵介さん、2017年に不祥事があり、現在は芸能活動はされていません。ですのでおそらくテレビでこの映画が放送されることも、残念ながらないかもしれません。

カケル役は林遣都さん、ムサ役はダンテ・カーヴァーさん、双子は斉藤慶太さん斉藤祥太さん、などのキャストになっています。

映画もどんな感じなのか、かなり興味は湧きますね。観てみたくなります。

 

アニメの方は、2018年10月から日本テレビ系で放送されています。

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(画像出典:kazetsuyo-anime.com)

なんだかハイジが思ってたのと違って、かなりイケメンですが…笑。

余計にどんな感じなのか、観てみたくなりますね。笑

映画もアニメも気になりますが、まずは小説『風が強く吹いている』、超おススメの一冊です!

個人的には、長距離の陸上小説でNo.1小説です!!

 

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