東京にある大仏
大仏と聞いて僕がまず思い浮かべるのは、奈良か鎌倉の大仏です。
大仏に特別な興味があるわけでもなく、詳しいわけでもありませんので、おそらく最も日本では知られている奈良と鎌倉の大仏くらいしか思い浮かばないわけです。
それが転じていつの間にか僕の中では、「大仏は奈良や鎌倉に行かないと見れないもの」という間違った認識まで無意識的に持ってしまっているかもしれません。それくらい大仏に関しては無知なんです。
しかしながら、もちろん大仏は奈良や鎌倉に行かずとも見ることはできます。よくよく考えますと、茨城の牛久大仏だったり、富山の高岡大仏だったり、GoogleのCMで最近話題にもなった岐阜大仏だったり、奈良や鎌倉以外にも有名な大仏がありますね。
さらには有名なものではなくても、小さなものだったらけっこうその辺のお寺にもあったりします。笑
僕も記憶を辿りますと、どこかのお寺で小さい大仏を見た覚えもあります。
有名な大仏は、基本的に「でかい」大仏なんですね。どれくらいの大きさからを「でかい」と定義するのかは難しいところではありますが、それなりにでかいものは知名度も伴っているかと思います。
僕は奈良と鎌倉の大仏は見たことがあるのですが、やっぱりでかい大仏はそれだけで圧倒されますし、テンションも上がります。また見に行きたいとも思いますし、牛久大仏とか他の大きい大仏も見に行ってみたいな~と思うわけです。
そこで考えるのが、僕は東京在住ですが、東京にはでかい大仏ってないの?という疑問です。
東京で大仏といいますと、僕は全くピンとこないんです。知っているものがありません。
そこでググってみましたところ、板橋区の乗蓮寺というお寺に、東京大仏(赤塚大仏)と言うのがあるらしいんです。しかもけっこうでかいらしい。
こちらが東京大仏(赤塚大仏)の画像です。僕はまだ訪れたことがありませんので、Wikipediaより引用させて頂きます。
(画像出典:wikipedia.org)
画像を見ると、確かにでかそうです。
普段なかなか大仏を見る機会というのもありませんので、これは是非見に行ってみたい。
そしてこの東京大仏(赤塚大仏)の他にもう一つ。
上野の地にでかい大仏があるらしいんです。
正確には「上野にある」というより「上野にあった」といった方が正しいかと思いますが。
その名も「上野大仏」です。
上野公園の上野大仏
大きな上野公園のちょうど真ん中辺りに、「大仏山」という丘があり、上野大仏はその上にあります。
まず、こちらが上野大仏のお姿です。
(画像出典:wikipedia.org)
像の高さは約6メートル。
奈良の大仏が約15メートル、鎌倉の大仏が約11メートルですので、それらに比べると小さく思えてしまいますが、それでも6メートルというのはでかいです。ちなみにですが、東京で大きな大仏として有名な東京大仏(赤塚大仏)は約8メートルです。
上野公園の小高い丘の上にこんな大仏があったら、それだけで素敵な景色ですよね。
しかしです。
現在、この姿を僕たちが見ることはできません。
大正12年の関東大震災により頭部が落下し大破しててしまい、その後解体され撤去されてしまったんです。
それまでにも地震や火災などで損傷し、その都度修復が行われましたが、関東大震災の損傷は決定的だったようです。
撤去後は、当時上野公園一帯を境内としていた寛永寺が保管していましたが、太平洋戦争の軍需金属資源として、昭和15年にその大部分が供出され、消滅してしまったそうです。
ほぼ跡形もなくなくなっちゃったってことですね。残念です。
しかしその後昭和47年に、寛永寺に保管されていた大仏の顔面部が、レリーフとして旧跡に置かれることになりました。大部分は消滅しましたが、顔の部分は残っていたんですね。
つまり、大仏の「顔」だけは、現在でも上野公園に行けば見れるんです。当時の姿こそ見れませんが、顔だけでも見れるというのは行ってみる価値はあります。大仏の顔だけというのも、どこでも見れるものではありませんからね。
過去に頭部が落ちたりと災難が続いた上野大仏ですが、それ故に「これ以上落ちない」と言われていて、合格祈願にご利益があり、受験生も多く訪れるスポットにもなっているそうです。顔にも触れるみたいです。
また、大仏の顔が安置されている公園内の大仏山には、薬師三尊像を祀った「大仏山パゴダ」と呼ばれる祈願塔もあります。薬師三尊像は元々は、近くにある上野東照宮の本地堂(薬師堂)のご本尊だったとのことですが、神仏分離により切り離されたようです。大仏の顔も祈願塔も、どちらも丘の上にあるようです。
顔だけしか残っていないとはいえ、かつて上野の山に鎮座していた上野大仏。
僕は先日嫁と二人で上野に行った際、大仏山にも立ち寄り、上野大仏のお顔をしっかりと拝んで参りました。
上野大仏への参拝
上野公園のほぼ中央辺り、春にはお花見で大勢の人で埋め尽くされる桜並木沿いに、小高くなった丘があり、上野大仏の看板が出ています。
上野大仏はこの丘の上にあるようです。塔も見えます。
石段の脇には開門時間の案内も出ていました。10時から16時までです。
石段を上がるとこんな感じで広くなっています。
入口には大佛パゴダについての説明書き。
正面が大佛パゴダと呼ばれる塔です。
まずはパゴダに参拝します。
そして、パゴダに向かい左手に大仏の大きな顔があります。こちらが上野大仏です。
顔の下には、かつての上野大仏の写真がありました。参拝します。
しばし大仏の顔と対峙します。お顔にも触らせて頂きました。
大仏の向かい側には、御守りなどが置かれていました。
「大仏なで守」というちょっと気になるものもありました、笑。しばらく御守りなど眺めてから、上野大仏を後にしました。
上野大仏の御朱印
僕はもう20年以上東京に住んでいるのですが、上野に大仏があるということを、この度初めて知りました。
顔が残っているだけとは言え、参拝できて良かったです。
大きな大仏があった頃はどんな景色だったんだろうな~と、想像するのもまた楽しかったりもします。
大仏は再建という動きも少なからずあるようですので、もしかしたらいつの日か、またこの丘の上に大きな大仏が建てられるかもしれないですね。
お隣にあったパゴダの中には、薬師三尊像が安置されているとのこと。こちらにも参拝できて良かったです。
僕は嫁と二人で神社巡りをして御朱印を頂くというささやかな趣味を持っているのですが、どうやらこの上野大仏と大仏山パゴダにも、御朱印があるようなんです。
大仏もパゴダも神社ではありませんが、こうして参拝もさせて頂きましたし、せっかくなので御朱印も頂こうと。
御朱印は、近くにある清水観音堂というところで頂くことができます。清水観音堂は、かつて上野公園一帯が境内だったという、寛永寺というお寺の観音堂です。
上野大仏と清水観音堂の位置関係は、地図で見ますと以下です。
(画像出典:aizu-concierge.com)
清水観音堂は京都の清水寺を見立てて造られたもので、ご本尊は千手観世音菩薩です。
大仏からは歩いてすぐですので、御朱印を頂かなくても訪れてみることをお勧めします。
こちらが清水観音堂です。下から見上げるとこのような景色で、「月の松」という丸く曲がった松も見ることができます。
石段を上がり観音堂へ。横から入る形です。
観音堂にも参拝します。
観音堂からは、寛永時の弁天堂である「不忍池弁天堂」を月の松越しに眺めることもできます。
そしてこちらが、清水観音堂で頂きました「上野大仏の御朱印」です。
こちらが大仏山パゴダの御朱印。
こちらが清水観音堂の御朱印です。
三ヶ所とも参拝しましたので、ついつい全て頂いてしまいました。笑
かつて上野にあった大仏さんの顔を拝むこともできましたし、パゴダや観音堂にも参拝でき、御朱印も頂くことができました。
これだけでも大満足です。
上野大仏のアクセスと周辺情報
上野大仏の住所は、東京都台東区上野公園4-8です。上野公園のちょうど中央辺りになります。
開門時間は10時から16時までになりますので、ご注意ください。
電車でのアクセスは以下になります。
■JR各線 上野駅 徒歩3~5分
公園口を出て、東京文化会館と国立静養美術館の間を進み公園に入り、二つ目の大きな交差点を左折(さくら通りに入る)すると、右側にあります。
■京成電鉄 京成上野駅 徒歩3~5分
池之端口を出て、公園に入り桜並木のさくら通りをまっすぐ進みますと、左手にあります。
■銀座線/日比谷線 上野駅 徒歩5~7分
6番出口から京成上野駅方面に向かい、公園に入りさくら通りを進みますと、左手にあります。
どの駅からでも5分程度で行ける距離です。
また、車の場合には上野大仏の駐車場というのはありませんので、上野公園の大駐車場か、近隣のパーキングに停める形となります。
上野大仏の地図はこちらです。
周辺には上野東照宮や、不忍池弁天堂など、他にもいくつか観光スポットがあります。
以下、僕が別で書いている神社と御朱印ブログの方の記事ですが、上野大仏周辺の神社仏閣を紹介していますので、よかったらそちらにも訪れてみてください。
▼上野東照宮
▼不忍池弁天堂
▼五條天神社
▼花園稲荷神社
以上、本日は上野にある「上野大仏」について紹介させて頂きました。
上野公園の大仏に、是非一度会いに行ってみてはいかがでしょうか。
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