コートの日焼けと色褪せ
数年前に購入した、ポール・スミスの黒いモッズコート。
お気に入りのコートでして、毎年冬にはいつも着ていました。おそらく4~5年は着ていたのではないかと思います。
それだけの期間着ていますと、気付けばいつの間にか、日焼けがひどい箇所が目立つようになり、色褪せも場所によってはなかなかひどいことになっていました。
一部は日焼けで赤く変色までしています。
襟や腕の辺りも、色褪せ具合がひどいです。
冬の天気のいい日に、このコートを着て色々なところを歩き回っておりましたので、仕方ないことだとは思います。
しかしこれだけ色褪せてしまいますと、みすぼらしい感じもしてしまい、なかなか着なくなるものです。
僕は別にファッションにうるさいわけでもなく、どちらかと言うと疎い方なのですが、それでも色が褪せ褪せのコートというのは、あまりかっこいいものではないと、そう認識はできるようです。自然とじょじょに着なくなってしまいました。
僕は着なくなった服は、定期的に処分をしております。僕は、というか嫁が主導ですが。で、色褪せたポール・スミスのコートも、このたびその候補として名前が挙がらざるを得ないという状況に。
しかし、お気に入りのコートでしたので、どうにか救ってやりたい。
確かに日焼けによる色褪せはひどいですけれど、そこを除けばまだまだ着れるコートです。愛着もありますし、またこのコートを着てお出掛けをしたい。
そんなお気に入りのコートを救う方法として、「染める」という手段があることを知りました。
業者に断られる
僕のモッズコートは黒ですので、日焼けの変色や色褪せを隠すために、黒く染めるという手段があることを知ります。
そういうことに疎い僕は、そのような方法を全く思いつかなかったんですけどね。染めるという提案をしたのは、嫁です。嫁さんが、まだ着たいなら染めてみれば?と。
とはいえ僕は、服を染めたことなど今まで一度もありませんし、やり方もわかりません。で、色々とググってみたところ、どうやらお手頃な価格で染めてくれる業者さんが存在することを知ります。
自分で染めるという手段もあるようですが、プロにやってもらった方が綺麗に染まるのでは?と思い、おもいきって業者さんにお願いすることにしました。
こちらのアンドカラーズというところです。この業者さんは、黒か紺でしたら一点5,000円(税込み)で染めてくれるんです。(2020年1月現在)
コートを送る形でもOKですし、提携の店舗も全国にあるようでして、そちらに持ち込むことも可能です。
5千円でまたお気に入りのコートが着れるようになるのなら、リーズナブルだと思います。もちろんコート自体が5千円とかなら、買い換えた方がいいですけれど。コートのお値段と照らし合わせて、5千円というのが高いのか安いのか、という判断になるかと思います。
僕の場合はアンドカラーズと提携している店舗が家の近くにありましたので、持ち込んでみることにしました。
染めるのが可能な素材(綿や麻)などの注意書きがありましたので、そちらと僕のコートを比較して確認してみたところ、どうやら問題なくいけそうです。
ということで、店舗にコートを預け、あとは出来上がりを待つだけ!と思いきや…。
数日後、「染められません」という連絡がありました。生地的には問題がないようですが、どうやら僕のコートには、何かしらの「コーティング」が施されているとのことで、故に染めることはできない、と。
残念です。
残念ですが、仕方ないです。おそらく他の業者に当たっても結果は同じだろうと推測し、僕は意を決して、自分で染めることにしました。
ダイロンか染めQか
コートを自分で染めるとなると、どのような手段があるのか。
ググってみた結果、どうやら方法は二つです。
多くの人が実践していて、YouTubeなどにも動画が多く上がっていたのは、「ダイロン」という染料を使った染め方です。
バケツとか手袋とか必要になるので、超簡単お手軽に!というわけにはいかないようですが、かなり定番の染め方のようです。
あの羽田圭介さんもYouTubeで紹介していましたので、参考までにそちらの動画を載せてみます。
ダイロンはお値段も高くはありません。ただ、染める量によってはいくつか買わないといけないみたいです。
定番の染め方で、お値段もお手頃、しかしです。
やっぱりちょっと、面倒臭そうなんですよね…笑。
いや、簡単といえば簡単なんでしょうし、僕が面倒臭がりだとは思うのですが、ついつい「もっと簡単に染められないのか」と考えてしまうんです。ダメ人間としては。
で、辿り着いたのが、もう一つの手段。
それが「染めQ」というスプレーです。
金属、革、布、木材、プラスチックなど、とにかく何でも染めてしまうものらしく、万能です。
しかしながら、コートを染めるのに適しているのかどうかが、色々調べてもいまいちわからず…。革ジャンとかリュックとか靴とか、そういうのを染める動画は出てくるんですけど、コートというのが出てこない。
とはいえ「布」を染めるのもOKのようなので、まぁ、大丈夫だろうと。笑
スプレーなら、新聞紙を広げ、コートに向けて噴射すればいいだけですからね。ダイロンに比べるとはるかに簡単です。
そんなわけで、僕はさっそく染めQを購入し、コートに噴射してみることにしました。
染めQを使ってみる
染めQにはサイズが2種類あります。264mlと70ml。
僕は70mlを購入しました。それくらいで足りるんじゃないかな~と思ってしまって。
結果、あっと言う間に終わってしまい、264mlを買い直したんですけどね。笑
70mlは思ったよりも少ないので、264mlの購入をお勧めします。
さて、まずは届いた染めQの説明書きにざっと目を通します。
使用前は1分ほど振ることや、噴射は10~15cmほど離して、などなど。
で、続いて屋外にて、新聞紙を広げ、コートを運びます。
気温20度、湿度60%という環境下で、乾くのに30分ほどとのことなので、できれば天気のいい日にやりたいです。この日は生憎の曇り空でしたが、決行します。
日焼けによる変色部分や色褪せ部分に、片っ端から染めQを噴射していきます。
匂いはそれなりにありますので、間違いなく屋外でやった方がいいですね。
染めたい箇所は一回スプレーするだけではなく、何度か噴射した方がいいです。重ね塗り噴射です。
そして、そうこうしているうちに、僕の購入した70mlの染めQが空になってしまい、明らかに足りない状態で中途半端に終わってしまったので…。
今度は264mlを、購入し、後日再び噴射。
スプレー缶のおよそ半分ほどを使用し(持った感触です)、コート染めが無事完了しました。
結果発表
染めQスプレーを使っての初めてのコート染め。
貧乏性が故に、小さい方のスプレーを買い、全く足りずに大きいものを買い直すという回り道はありましたが、無事に染め終わりました。
染めてから2~3日は多少染めQの匂いが残っていましたので、部屋に干したままにしておきましたところ、いつの間にかそれもなくなりました。
こちら、染め直しが完了したコートです。
わかりづらいかもしれませんので、beforeとafterの写真を並べてみます。
率直な感想は、「お、いいかも」です。
完璧に綺麗に染められているかと問われたら、答えは否だと思います。
しかし、気になっていたひどい日焼けや色褪せに関しては、大幅に隠すことができたのではないかと思います。ぱっと見ではわかりません。
日焼けや色褪せを気にして着れなかったコートが、それらを気にすることなく、じゅうぶん着れるものになりました。
染めた部分のみ、触るとじゃっかん「パリパリ」した感触はありますけど、着るのには全く問題ないです。
つまり、当初の目的は、染めQ様の力によりじゅうぶん果たすに至ったわけです。
日焼けと色褪せでみすぼらしかったコートが、復活できたんです!!
ありがとう染めQ。
ただし、今後着ていく中で、雨の日は大丈夫なのか?とか、またすぐ色褪せるのではないか?という不安はあります。まだ染めたばかりで、その辺りの検証ができていませんので、そちらも検証ができ次第、追記させて頂こうと思います。
とりあえず現段階での感想としては、「染めQでコートを染める」というのは、手軽にできますし、尚且つ満足のいく仕上がりとなる、とってもお勧めの方法だと思います。
ただ、繰り返しにはなりますが、染めQをご購入の際には、くれぐれも小さいサイズ(70ml)ではなく、大きいサイズ(264ml)をお勧めします。70mlは、ほんとにあっという間に終わってしまいますので。