笑う門には福来たる

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日本橋にある翼のついた麒麟の像。その意味は?


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日本橋という橋

東京の中央区、日本橋に行って参りました。

この日は僕の趣味でもある神社巡りのため、日本橋を訪れました。

日本橋駅に降り立ち、福徳神社と言う神社を目指したのですが、その途中に大きな橋を渡ります。

それが「日本橋」と言う橋です。読み方は「にほんばし」です。

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この辺りの地名も「日本橋」ですが、それはこの橋に由来しています。

ちなみに、大阪にある「日本橋」は「にっぽんばし」と読みます。

東京の日本橋の下には「日本橋川」が流れ、橋の上には首都高速が走っています。

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箱根駅伝のゴール直前にあたる場所だったりして、テレビでもよく映る橋です。

僕は過去にも何度かこの橋を通ったことはあるのですが、これまであまりじっくり見たこともなく、意識したこともありませんでした。

しかし今回、何気なく日本橋を渡ろうとして、その入口にいた獅子におもわず目が留まり…じっくり見てみることにしたんです。なぜ橋を護るように獅子がいるのか?と気になってしまい。

そうすると、日本橋と言う橋そのものに興味が湧いてきます。

後日調べたところ、この橋を最初に掛けたのは、徳川家康とのこと。初めて知りました。

江戸幕府が開かれた慶長の時代、徳川家康の全国道路網整備計画と言うものが行われ、それに際して初代の木造の橋が掛けられたそうです。

そして、現在の橋は20代目の橋とのこと(19代目と言う説もあるようです)。橋の両端に鳥居があった時期などもあったみたいです。

橋の四隅にある銘板に刻まれた「日本橋」と「にほんはし」の文字は、江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜が書いたものだそうです。

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これまでにも何度か何気なく通っていた橋ですが、とても歴史のある橋だったんですね。

 

日本橋を護る獅子

日本橋には、その四隅に獅子がいます。僕は実は狛犬と獅子の違いをまだよくわかっていないのですが、最初は狛犬さんだと思っていた像ですが、どうやら獅子のようです。

まず、日本橋駅方面から歩いて行きますと、橋の入口には左右に阿吽の一対の獅子がいます。こちらが左側の獅子です。

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獅子が持っているのは東京都の紋章だそうです。

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(画像出典:uub.jp)

僕は東京都の紋章と言うものも初めて知ったのですが、太陽を中心にして6方に光が放たれている形で、日本の中心としての東京を象徴するデザインになっているとのこと。

 

そしてこちらが右側の獅子です。

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同じく東京都の紋章を持っています。

左右どちらも威厳のある容姿です。高い位置にありますので、まるで橋を渡る人々を見おろしているかのようです。

獅子の後ろにある彫刻もとても見事で目を惹きます。

 

さらには橋の反対側にも、同じく一対の阿吽の獅子がいます。こちらが左側の獅子です。

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こちらが右側の獅子

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どの獅子も東京都の紋章を持っています。

 

これら橋の四隅にいる二対の獅子は「守護」を意味し、「東京を護る」役割を担っているそうです。

奈良県の手向山八幡宮と言う神社にある狛犬さんや、イタリアのルネサンス期の彫刻家ドナテッロのライオン像をモデルにして造られた像とのことで、彫刻家の渡辺長男さんと、その義父である彫刻家の岡崎雪聲さんと言う方の作だそうです。

 

翼のある麒麟の像の意味は?

日本橋の四隅には獅子がいます。

そして、橋の中央には、翼のある麒麟の像が左右に二体ずつ、計四体鎮座しています。

この麒麟の像は、映画化もされた東野圭吾さんの小説「麒麟の翼」でも有名になった像です。

僕もこの映画はテレビでやっていたのを見て、面白かった覚えがあります。内容はうる覚えですが…笑。

確かその映画を見た後にも一度、嫁と一緒に日本橋を訪れた際に、麒麟の像の前で記念写真を撮った覚えもあります。笑

その時には、麒麟の像の意味など考えもしなかったんですけどね。笑

麒麟の像は、それぞれ橋の中心から、左右の入口の方を向いています。獅子と同じ向きですね。

遠目に見るとこんな感じです。

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それぞれ橋の両端を見ている形ですね。

 

近くで見ますと、なかなか迫力があります。

まず、こちらが日本橋駅側から橋を渡った際の、左側にある最初に見える麒麟です。

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龍のような体と、その背にはがついています。西洋のドラゴンのようですね。

 

そしてこちらが、その裏側にいる麒麟です。

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躍動感があり、今にも飛び立ちそうな感じです。

 

橋の反対側にも、同じく両端を向いて麒麟がいます。

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その裏側にも。

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どれも見事な像です。威厳もあり、迫力もあります。かっこいいですね。

 

そもそもまず、なぜこれを「麒麟(きりん)」と言うのか、僕はそれについても知識がありませんでした。

麒麟とは、いわゆるあの首の長いキリンを指すわけではなく、神獣である想像上の生き物のことだそうです。中国の陰陽五行説と言うものでは、四方を護るのが青竜・玄武・白虎・朱雀の四神で、中央を護るのが麒麟とされているそうです。

首の長い動物のキリンも、この麒麟に由来して付けられた名前だそうです。「キリン」って何語なんだ?と考えたこともなかったのですが、あの動物をキリンと呼ぶのは、日本語と韓国語みたいです。英語ではgiraffe(ジラフ)なんですね。

麒麟は吉兆や繁栄を現す神獣とのことで、日本橋の麒麟は「東京都の繁栄」を意味しているそうです。

 

そして、伝説上の神獣である麒麟には、本来は翼がありません

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(画像出典:upload.wikimedia.org)

 

なぜ日本橋の麒麟には翼があるのか?

それは、日本橋が日本の道路網の始点となる地点であり、そこから日本中に飛び立てるように、との意味が込められているそうです。

そんな意味が込められた麒麟像だったんですね。

こちらの麒麟像も、作者は獅子と同じく、彫刻家の渡辺長男さんと岡崎雪聲さんです。

ちなみにですが、キリンビールのマークにもなってるキリンも、この伝説上の神獣、麒麟だったんですね。初めて知りました。

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(画像出典:kirin.co.jp)

 

日本橋は日本の道路の始まり

先ほども少し触れましたが、日本橋は日本の道路の始点となる場所だそうです。

江戸時代には五街道の起点でもありました。橋の真ん中には「日本国道路元標」と言うものが埋められていて、そこが全国の道路の始まりの場所とされています。

その複製が橋の脇にもありました。

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道路元標(どうろげんぴょう)と言うのは、道路の起終点を示す標識だそうです。

 

橋の脇には「東京市道路元標」と書かれた街灯もありました。

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また、麒麟の像の後ろにある方錐柱には、松と榎が刻まれています。

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これは、江戸時代にそれぞれの街道に、距離を示すために松や榎が植えられたことに由来しているそうです。

 

他にも日本橋の脇には、「日本橋魚市場発祥の地」と言う碑があったり。

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日本橋川には魚河岸があり、昔から多くの船や人で賑わっていたそうです。

現在はそんなに綺麗とは言えない日本橋川が流れていますが…笑

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当時の景色はどんなんだったんだろう?と思いを馳せてみたり。

 

今まで僕は日本橋について、本当に何も知らなかったのですが、こうして色々と知ることができるって楽しいですね。

日本の道路の始点となる日本橋を、獅子が守護し、そこから広がる日本の繁栄を、翼のある麒麟が象徴しているんですね。

そんな意味が込められた日本橋。

日本橋(地名の方)を訪れた際には、是非ともこの日本橋(橋の方)を渡ってみてください。

麒麟と獅子は必見です!

 

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